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経営革新計画のメリット

「経営革新計画」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。補助金ほど知られていませんが、中小企業の打ち手として、わたしはかなり「効く」制度だと思っています。お金が直接もらえる制度ではないのに、なぜ効くのか。この記事でご説明します。

経営革新計画とは——「新しい挑戦」の計画を県が承認する制度

経営革新計画は、中小企業等経営強化法にもとづく制度で、中小企業が「新事業活動」に取り組む計画を作り、都道府県知事などの承認を受けるものです。兵庫県の会社なら、原則として兵庫県に申請します。

「新事業活動」というと大げさに聞こえますが、まったくの新規事業である必要はありません。たとえば、こんな取り組みが対象になり得ます。

ポイントは「自社にとって新しい」挑戦であることと、付加価値額などの経営指標が伸びていく計画であることです。要件の細かな水準は年度により変わりますので、最新は公式の案内・公募要領でご確認ください。

メリット①——資金調達の選択肢が広がる場合がある

承認を受けると、さまざまな支援策の入口に立てます。代表的なのは資金調達まわりです。

どの支援が使えるかは計画の内容や時期によりますが、「承認された計画がある」ことは、金融機関との対話でもそれ自体が信用材料になります。

メリット②——補助金の加点につながる場合がある

一部の補助金では、経営革新計画の承認を受けていることが審査の加点要素として扱われる場合があります。補助金は相対評価の競争ですから、加点が一つあるかないかは小さくありません。

ただし、どの補助金でどう扱われるかは公募回ごとに変わります。加点目当てだけで慌てて作るのではなく、後述する「本当のメリット」とあわせて考えるのが賢明です。

メリット③——実は最大の効用は「経営を言葉にすること」

わたしが経営革新計画をおすすめする本当の理由は、支援策よりも手前にあります。承認を得るには、3〜5年程度の数値計画と、その裏付けとなる戦略を文章にしなければなりません。この作業を経た社長さんは、口を揃えてこう言います。「自分の会社のことが、初めて整理できた」と。

売上の柱は何か。粗利はどこから生まれているか。新しい挑戦は誰に何を売るのか。これを書き切った計画書は、金融機関への説明にも、補助金の事業計画にも、社内への方針共有にも、そのまま転用できます。一度の作業が何度も効く。これが経営革新計画のいちばんの値打ちです。

申請の流れと注意点

おおまかな流れは次のとおりです。

注意点は二つ。第一に、承認は「支援を約束するもの」ではないことです。融資や補助金には、それぞれ別の審査があります。第二に、承認後は計画の進捗を報告する場面があることです。作って終わりではなく、実行する計画として作りましょう。

どんな会社に向いているか

製造業なら、「下請けの加工だけでなく、自社製品や新しい加工分野に踏み出したい」という会社。建設業なら、「施工だけでなく、点検・メンテナンスやリフォームの分野を新しい柱にしたい」という会社。つまり、いまの本業に「次の一手」を足そうとしている会社に、この制度はよく合います。

逆に、現状維持の計画や、単なる設備の入れ替えだけでは、「新事業活動」としては認められにくい場合があります。とはいえ、社長さんと話していると、「それ、立派な新しい取り組みですよ」という種が、日常の工夫の中に埋もれていることがよくあります。自社に種があるかどうかの見立てこそ、支援者に聞いてみてほしいところです。

まとめ

経営革新計画は、新しい挑戦を計画書にして県の承認を受ける制度で、資金調達や補助金の場面で追い風になる場合があります。そして最大のメリットは、自社の戦略が一冊に整理されることです。

制度の要件・支援内容は年度により変わります。最新は公式の公募要領でご確認いただくとして、「次の一手」が頭にある社長さんは、それを計画書にする価値があるか、一度ご相談ください。

本記事は執筆時点の情報にもとづく一般的な解説であり、承認や支援策の適用を保証するものではありません。要件・支援内容は制度や年度により変わります。最新の内容は必ず公式の案内・公募要領でご確認ください。
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