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経営力向上計画とは?——作るメリットと手順

「経営力向上計画」。名前だけ聞くと、いかにもお役所的で、腰が引けてしまう方が多いと思います。でも中身は、「自社の現在地と、これからの伸ばし方を、決まった様式で数ページにまとめる」というものです。そして、この数ページが、税制・金融・補助金と、いくつもの場面で会社の味方をしてくれる場合があります。

この記事では、経営力向上計画とは何か、認定を受けるとどんなよいことがあるのか、そしてどう作るのかを、順番にお話しします。

どんな制度か

経営力向上計画は、中小企業等経営強化法という法律にもとづく国の認定制度です。人材育成、コスト管理、設備投資といった、自社の経営力を高めるための取り組みを計画にまとめ、事業を所管する省庁に申請して認定を受けます。

「計画」と聞くと分厚い書類を想像するかもしれませんが、実務上は数ページ程度に収まることが多く、補助金の事業計画書に比べれば、書く量はずっと少なめです。業種ごとに「事業分野別指針」という手引きが示されており、それに沿って作っていく形になります。

認定を受けるメリット

認定を受けると、次のような支援の対象になる場合があります。

それぞれの中身は制度改正で変わっていくため、「いま何が使えるか」は最新の公式情報での確認が必要です。ただ、大づかみに言えば、経営力向上計画の認定は「国の支援メニューの入口の切符」のような位置づけになっている、と考えていただくとよいと思います。

とくに設備投資との組み合わせは相性がよく、機械を導入する予定のある会社なら、補助金の検討とあわせて、この計画の認定も視野に入れる価値があります。注意点が一つ。税制優遇との組み合わせでは、原則として設備を取得する前に認定を受けておく必要がある場合があります。ここでも、補助金と同じく「順番」が大事なのです。

わたしが一番のメリットだと思うこと

ここまで制度上の利点を並べましたが、じつは、わたしが一番のメリットだと感じているのは別のところにあります。それは、書く過程で「自社の強みは何か」「数字はいまどうなっているか」「これからどこを伸ばすのか」に、経営者自身が向き合うことになる、という点です。

日々の仕事に追われていると、自社を言葉にする機会は驚くほどありません。経営力向上計画は、様式が決まっているぶん、考える道筋も決まっています。数ページ書き上げる頃には、自社の現在地が一枚の絵になっている。この整理は、金融機関との対話でも、補助金の計画づくりでも、そのまま使える下地になります。

言ってみれば、経営力向上計画は「会社の健康診断と、これからの見取り図」を兼ねた書類です。優遇措置が目当てで作り始めた方が、「作ってみて、頭の中が整理されたのが一番の収穫だった」とおっしゃることは、めずらしくありません。

作る手順

大まかな流れは、次のとおりです。

設備投資の優遇と絡める場合は、工業会の証明書など、追加の書類が必要になる場合があります。何と組み合わせるかで段取りが変わるので、目的を先に決めてから書き始めるのが近道です。

行政書士として、どう関わるか

「書類仕事はまるごとお任せください」と言いたいところですが、この計画に関しては少し違います。自社の強みとこれからの方向は、経営者ご本人にしか語れないからです。わたしの役割は、質問を重ねて、頭の中にあるものを引き出し、様式に合う言葉に整えること。そして、申請の事務まわりを引き受けることです。

丸投げにはさせません。でも、独りにもしません。書き上がった計画が「借り物の言葉」ではなく「自分の言葉」になっていること——それが、このあとの経営で計画が活きるかどうかの分かれ目だと思っています。

まとめ——設備投資の予定があるなら、セットで検討を

経営力向上計画は、派手さのない制度です。でも、設備投資・融資・補助金と組み合わせたとき、静かに効いてきます。機械の導入や事業承継など、会社が動く予定が見えているなら、その動きの前に、一度検討してみてください。例によって、合言葉は「決める前に」です。

本記事は執筆時点の情報にもとづく一般的な解説であり、個別の認定可否や優遇措置の適用を保証するものではありません。支援措置の内容・要件は法改正や年度により変わります。最新の内容は必ず中小企業庁など公式の手引きでご確認ください。
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