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省力化投資補助金とは——人手不足への一手

「求人を出しても、まったく応募が来ないんです」。ここ数年、ご相談の場でこの言葉を聞かない月はありません。製造業も建設業も、人が採れない。採れたとしても定着しない。ならば発想を変えて、「人がやらなくても済む仕事を減らす」方向に投資する。その後押しをするのが、省力化投資補助金です。

この記事では、この補助金がどんな制度なのか、どんな会社に向いているのか、そして検討の進め方をお話しします。

どんな補助金か

省力化投資補助金(中小企業省力化投資補助金)は、人手不足に悩む中小企業が、省力化につながる設備やシステムを導入する費用の一部を補助する制度です。IoTやロボットをはじめ、人の作業を機械に置き換える投資が対象の中心になります。

この補助金の特徴として、あらかじめ登録された製品の中から選ぶ「カタログ注文型」の枠が用意されている場合があります。カタログに載っている汎用製品——たとえば清掃ロボット、配膳ロボット、自動倉庫、検品仕分け装置、無人搬送車といった類のもの——を、登録販売事業者と組んで導入する形です。事業計画書を一から書き上げる補助金に比べると、申請の負担が軽めに設計されているのが持ち味です。

一方で、カタログにない設備やオーダーメイドの仕組みを対象にできる「一般型」に相当する枠が設けられている場合もあります。補助率は費用の2分の1程度が目安とされることが多く、上限額は従業員数などによって変わる場合があります。賃上げに取り組むと上限が引き上がる仕組みが置かれることもあります。枠の構成・金額・要件は年度により変わります。最新は公式の公募要領でご確認ください。

向いているのは、こんな会社

わたしの見立てでは、次のような状況の会社は検討の価値があります。

逆に、「何に使うかは決まっていないが、ロボットが安く買えるなら欲しい」という入り方は、おすすめしません。省力化は手段であって目的ではないからです。どの作業の、何時間を浮かせたいのか。そこが言えるようになってからが本番です。「うちの規模でロボットなんて」と思われるかもしれませんが、カタログ型の製品には、数人規模の現場を想定したものも含まれています。規模の大小より、置き換えたい作業がはっきりしているかどうかが分かれ目です。

検討の進め方

進め方は、おおむね次の順番になります。

他の補助金と同じく、交付決定前の発注・契約は原則として対象外です。展示会で気に入った機械をその場で契約——という流れは、補助金の観点では最も避けたいパターンです。カタログ型は比較的スピード感のある制度設計になっている場合が多いので、慌てて順番を崩す必要はありません。

ものづくり補助金との使い分け

「設備投資なら、ものづくり補助金もあるのでは」と思われた方、そのとおりです。ざっくりした目安としては、新しい製品・サービスを生み出すための投資や、自社独自の生産プロセス改革ならものづくり補助金、既製品の導入で人手作業を置き換えるなら省力化投資補助金、という整理で考え始めるとよいと思います。もっとも、実際の線引きは案件ごとに検討が必要ですし、同じ投資を両方に出すことはできません。ここは制度をまたいだ比較になるので、専門家と一緒に見立てることをおすすめします。

まとめ——「人が採れない」を投資で乗り越える

人手不足は、待っていても解消しません。だからこそ国も、省力化への投資に予算をつけています。「人がいない」と嘆く時間を、「人がいなくても回る工程づくり」に振り向ける。その費用の一部を補助金でまかなう。この順番で考えられる会社が、これからの10年を生き残るのだと思います。人が足りないのは、あなたの会社だけではありません。だからこそ、先に動いた会社から楽になっていきます。検討はぜひ、投資を決める前に。

本記事は執筆時点の情報にもとづく一般的な解説であり、個別の採択や補助金の交付を保証するものではありません。枠の構成・補助率・上限額・対象製品などの制度内容は年度により変わります。最新の内容は必ず公式の公募要領でご確認ください。
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