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日本政策金融公庫の融資の基本

「銀行は敷居が高くて」「うちみたいな規模で貸してもらえるのか」——製造業や建設業の社長さんから、資金繰りの話になるとよく聞く言葉です。そんなとき、わたしがまずお伝えするのが、日本政策金融公庫(いわゆる「公庫」)の存在です。

公庫は、中小企業や小規模事業者にとって、資金調達のいちばん身近な入口のひとつです。ところが、名前は知っていても「実際に何をしてくれるところなのか」はあまり知られていません。この記事では、公庫の融資の基本を、はじめての方向けに整理します。

日本政策金融公庫とは、どんな金融機関か

日本政策金融公庫は、国が全額出資している政策金融機関です。ひとことで言えば、「民間の金融機関だけではお金が回りにくいところに、政策としてお金を届ける」役割を担っています。

だからこそ、創業したばかりの会社、規模の小さな会社、実績がまだ浅い会社でも、事業の中身と計画を見て融資を検討してくれます。「銀行に断られたら終わり」ではない、というのが公庫のいちばん大きな意味だと、わたしは思っています。

店舗は全国にあり、兵庫県内にも複数の支店があります。個人事業主の方も対象です。

どんなときに使われるか

実際の現場で公庫の融資が話題になるのは、たとえばこんな場面です。

融資制度は目的ごとにいくつも用意されており、金利や返済期間、限度額はそれぞれ異なります。金利は民間より低めに設定される場合が多い、と言われますが、具体的な数字は時期や制度、担保・保証人の有無によって変わります。年度により変わりますので、最新は公式の案内・公募要領でご確認ください。

申し込みから融資までの流れ

おおまかな流れは、次のとおりです。

申し込みから融資実行までの期間は案件によりますが、数週間から1か月程度が目安とされることが多いようです。資金が要る時期から逆算して、早めに動くことが大切です。

審査で見られているのは「返せる計画かどうか」

面談や審査で見られているのは、突き詰めれば「この事業は、借りたお金をきちんと返していけるか」です。売上の見込みに根拠があるか、経費の見積もりが現実的か、自己資金をどれだけ準備してきたか。数字の大小よりも、数字の裏付けが問われます。

とくに創業融資では、自己資金の積み立ての経緯や、その事業での経験が重く見られる傾向があります。「思いつきではなく、準備してきた計画である」ことが伝わる資料を作れるかどうかが、結果を分けます。

補助金との相性——「つなぎ」と「両輪」

公庫の融資は、補助金ととても相性がよい、ということも知っておいてください。補助金は原則として後払いです。設備を先に自腹で買い、実績報告のあとにお金が入る。この「立て替え期間」の資金を、融資でつなぐわけです。

また、補助金は使える時期が公募のスケジュールに縛られますが、融資は年間を通じて申し込めます。「急ぎの資金は融資、計画的な投資は補助金」と使い分けるのが、資金調達の基本形です。

もうひとつ付け加えると、公庫と民間の金融機関は、どちらかを選ぶものではありません。ひとつの投資に公庫と民間の銀行・信用金庫が一緒に貸す協調融資という形もありますし、公庫からきちんと借りて返してきた実績は、民間の金融機関から見ても立派な信用材料になります。最初の一歩は公庫で、会社が育ってきたら民間と両輪で。取引先の金融機関を一行に絞らず、複数の窓口と細く長く付き合っておくことは、いざというときの資金繰りの備えとしても効いてきます。

まとめ——まずは「相談できる先」を増やす

日本政策金融公庫は、中小企業のための政策金融機関であり、創業期や小規模の会社にも門戸が開かれています。申し込みには事業計画と数字の裏付けが必要で、準備には少し時間がかかります。

だからこそ、資金が必要になってから慌てるのではなく、「いずれ設備を入れ替えたい」という段階で、一度流れを知っておくことをおすすめします。融資も補助金も、早く動いた会社に有利にできています。決める前に、ひと声かけてください。

本記事は執筆時点の情報にもとづく一般的な解説であり、個別の融資可否を保証するものではありません。融資制度の内容・金利・限度額・必要書類は制度や年度により変わります。最新は公式の案内・公募要領でご確認ください。
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