← ファネルハブに戻る 脱・情弱経営

ブログ

採択されやすい事業計画書の共通点

補助金の採択・不採択を分けるのは、事業計画書です。同じような会社が、同じような機械を、同じような金額で申請しても、結果が分かれる。その差はどこにあるのか。採択を保証する魔法の書き方はありませんが、通る計画書には、たしかに共通する要素があります。今日はそれを、実務の視点でお話しします。

まず、審査する人を想像する

書き方の技術の前に、いちばん大事なことから。事業計画書は、審査員という「読み手」がいる文書です。審査員は、あなたの会社を知りません。工場を見たこともなければ、業界の常識も共有していません。そして、短い時間で多くの計画書を読みます。

この前提に立つと、やるべきことが見えてきます。専門用語を使うなら簡単な説明を添える。図や写真で現場を見せる。結論を先に書く。「読めば分かるだろう」ではなく、「初めて読む人が、一度で分かるか」を基準にする。計画書づくりの半分は、この読み手への思いやりだと言ってもいいくらいです。

共通点①——課題と投資と効果が、一本の線でつながっている

通る計画書は、話の筋が一本道です。「うちにはこういう課題がある。だからこの設備に投資する。すると、こういう効果が出る」。この三段が、誰が読んでも迷子にならずにつながっています。

逆に、苦しい計画書は、課題と投資がずれています。課題は人手不足だと書いてあるのに、投資の説明は機械の性能自慢に終始していて、それで人手不足がどう解消するのかが書かれていない。設備のカタログ数値ではなく、「その機械が自社の課題をどう解決するか」を書く。ここが分かれ目です。

共通点②——数字で語っている

「生産性が大きく向上します」と書いてある計画書と、「この工程の作業時間が1個あたり40分から15分になり、月間の生産可能数が約1.6倍になる見込みです」と書いてある計画書。審査員がどちらを信用するかは、言うまでもありません。

数字は、正確であることよりも、根拠が示されていることが大事です。「なんとなく2倍」ではなく、「この根拠でこの見込み」と書けるように、日頃から自社の数字を把握しておくこと。これは計画書のためだけでなく、経営そのもののためでもあります。

共通点③——自社の強みに、嘘がない

計画書には必ず、自社の強みを書く欄があります。ここで借り物の言葉を並べると、審査員には伝わりません。「高い技術力」「豊富な経験」といった言葉は、どの会社でも書けるからです。

通る計画書の強みは、具体的です。「この加工精度を出せるのは、この地域ではうちを含めて数社」「この業界の元請けと20年の取引が続いている」「この資格を持つ職人が3名いる」。裏付けのある事実を、飾らずに書く。事実は、形容詞より強いのです。

共通点④——実現性の裏付けがある

審査員が最後に見るのは、「この会社は、本当にこの計画をやり切れるか」です。どんなに美しい計画でも、実現性が疑わしければ評価されません。

まとめ——計画書は、書く前に八割決まる

お気づきでしょうか。ここに挙げた共通点は、文章の上手さの話がほとんどありません。課題の把握、数字の把握、強みの棚卸し、資金と体制の裏付け。つまり、書く前の準備で八割が決まるのです。だからこそ、公募が出てから慌てて書き始めるのではなく、日頃から自社の数字と強みを言葉にしておく。そして投資を決める前に相談していただければ、準備の時間を確保できます。計画書は一夜漬けの作文ではなく、経営の棚卸しの成果物なのです。

なお、審査の観点や加点項目は制度ごとに公募要領で示されており、年度により変わります。最新は公式の公募要領でご確認ください。加点項目(賃上げや各種認定など)を取りにいけるかどうかも、早く動くほど選択肢が増えます。

本記事は執筆時点の情報にもとづく一般的な解説であり、個別の採択を保証するものではありません。審査項目・加点項目は制度・年度により変わります。最新の内容は必ず公式の公募要領でご確認ください。
無料プレゼント

製造業・建設業のための
補助金助成金30選(書籍版)を無料配布中

計画書を書く前に、まず「どの制度を狙うか」から。設備投資・賃上げ・人材のカテゴリから30の補助金・助成金を厳選して一冊にまとめました。

無料で受け取る