ブログ
建設業が使える補助金・助成金まとめ
「補助金って、結局は製造業向けでしょう」。建設業の社長さんから、よくこう言われます。気持ちは分かります。制度の紹介記事は工場の機械の話ばかりですから。でも実際には、建設業こそ使える制度が幅広い業種だと、わたしは思っています。設備、人材、賃上げ、働き方。建設業が今まさに直面している課題のそれぞれに、対応する制度があるからです。
この記事では、建設業が検討できる補助金・助成金を、カテゴリ別に整理してお話しします。
設備・機械への投資に使える補助金
まずは設備系です。建設業で検討されることが多いのは、次のような制度です。
- ものづくり補助金——ICT建機の活用や新工法への挑戦、測量・施工の効率化など、生産性を上げる投資が対象になる場合があります
- 省力化投資補助金——人手作業を置き換える機器・システムの導入。人材確保が難しい建設業とは相性のよい制度です
- IT導入補助金——施工管理アプリ、原価管理システム、勤怠・労務のクラウド化など、事務と現場の情報共有を効率化するツールが対象になる場合があります
- 事業承継やM&Aに関する補助金——代替わりのタイミングでの設備更新や販路開拓を後押しする制度が設けられている場合があります
いずれも補助率は2分の1程度が目安とされることが多いですが、枠や要件によって変わります。年度により変わります。最新は公式の公募要領でご確認ください。
人を雇う・育てる場面の助成金
建設業の最大の経営課題は、人でしょう。人に関する制度は、補助金ではなく「助成金」が中心になります。厚生労働省系の助成金は、要件を満たせば受給できる場合が多く、審査で競争する補助金とは性格が違います。
- キャリアアップ助成金——契約社員や日給月給の方を正社員に転換する場面などで検討できます
- 人材開発支援助成金——技能講習や資格取得など、社員の訓練費用と訓練期間中の賃金の一部が助成される場合があります。建設業向けのコースが設けられている場合もあります
- トライアル雇用助成金——未経験者をお試し雇用する場面で検討できます
- 業務改善助成金——賃金の引き上げと設備投資をセットで行う場面で検討できます
建設業は若手の確保と育成が業界全体の課題になっているだけに、人材系の助成金には建設事業主向けの特例や専用コースが用意されている場合があります。「うちの業界向けの枠があるか」という目で公式情報を確認する価値があります。
建設業ならではの視点——許可・経審とのつながり
もうひとつ、建設業の方にぜひお伝えしたいのは、補助金・助成金の活用が、建設業許可や経営事項審査(経審)といった建設業の土台と地続きだという点です。
たとえば、決算書や労働保険・社会保険の整備状況は、助成金の受給要件にも、許可や経審にも関わってきます。書類と数字が整っている会社は、制度活用の場面でもスムーズです。逆に、帳簿や労務まわりが後回しになっている会社は、いざ制度を使おうとした時に、そこから整えることになります。
公共工事の受注を伸ばしたい会社なら、設備投資や人材育成の実績が、会社の体力として経審の数字にもじわじわ効いてきます。補助金は「もらって終わり」ではなく、会社の土台づくりの一部として考えると、活きた使い方ができます。
使うときの注意点
カテゴリを問わず、共通する注意点を挙げておきます。
- 補助金は原則後払いです。入金までの資金繰りを先に設計してください
- 交付決定前の発注・契約は、原則として対象外です
- 助成金は、就業規則や出勤簿・賃金台帳など、労務書類の整備が前提になります
- 雇用関係の助成金は、社会保険労務士の独占業務にあたる手続きが含まれる場合があります。その場合は信頼できる社労士と連携して進めます
また、元請け・下請けの関係で工期が読みにくいのが建設業です。補助事業の実施期間と自社の繁忙期が重ならないか、申請前にカレンダーを見ながら確かめておくと、あとが楽になります。工程表と補助金のスケジュールを並べて眺めるだけでも、無理のない計画が見えてきます。
まとめ——「うちには関係ない」で終わらせない
建設業は、資材高騰、人手不足、働き方の変化と、向かい風の多い業界です。だからこそ国も、建設業が使える制度を幅広く用意しています。大事なのは、投資や採用を「決める前に」、使える制度がないか一度立ち止まって調べること。その習慣だけで、10年後の会社の体力は変わってくると思います。まずは、自社のいまの困りごとを三つ書き出すところからで構いません。
製造業・建設業のための
補助金助成金30選(書籍版)を無料配布中
この記事で触れた制度を含め、建設業でも検討できる30の補助金・助成金を厳選して一冊にまとめました。自社で使えそうな制度の当たりをつけるのにお使いください。
無料で受け取る