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小さな会社ほど補助金を使うべき理由
「補助金って、大きい会社が使うもんでしょう。うちみたいな規模では無理ですよ」——従業員数名の町工場や工務店の社長さんから、何度この言葉を聞いたかわかりません。
結論から言えば、逆です。補助金は、小さな会社にこそ効きます。制度の設計も、実は小さな会社に有利にできている面がある。この記事では、その理由を順にご説明します。
理由①——そもそも「小さな会社のための制度」だから
まず大前提として、国の補助金の多くは中小企業・小規模事業者を対象に設計されています。大企業は対象外か、補助率が低く設定される場合がほとんどです。
さらに、「小規模事業者」——製造業などなら従業員20人以下、商業・サービス業なら5人以下が目安とされる区分——を対象にした制度もあります。小規模事業者持続化補助金はその代表例で、販路開拓の取り組みを後押しするものです。従業員数名の会社は、「対象外」どころか、制度の主役として想定されている存在なのです。対象の区分や補助率は年度により変わりますので、最新は公式の公募要領でご確認ください。
理由②——同じ金額でも、効き方がまるで違う
年商10億円の会社にとっての100万円と、年商5,000万円の会社にとっての100万円。数字は同じでも、経営に対する効き方はまるで違います。
小さな会社では、補助金で浮いた資金が、そのまま次の一手——ホームページの開設、中古機械のもう一台、パート採用の原資——になります。投資の選択肢が一つ増えることが、事業の伸び方を目に見えて変える。投資額に対する補助金の相対的なインパクトは、会社が小さいほど大きいのです。
理由③——「計画を書く」経験が、会社を一段強くする
小さな会社の多くは、事業計画書を書いた経験がありません。日々の仕事が回っていれば、書く必要がなかったからです。
補助金申請は、その意味で、事業計画づくりの絶好の練習台になります。自社の強みは何か、お客様は誰か、投資で何がどう変わるのか。これを一度文章と数字にした経験は、採択されるかどうかに関係なく残ります。金融機関への説明が上手くなった、社員に方針を話せるようになった——申請を経験した社長さんから、そんな声を聞くことは少なくありません。
「でも、うちには書ける人がいない」への答え
小さな会社が補助金をためらう本当の理由は、たいていこれです。社長は現場に出ずっぱりで、事務員さんは日々の経理で手一杯。申請書を書く人がいない。
これに対する答えは三つあります。
- 商工会・商工会議所を頼る——小規模事業者向けの補助金では、地域の商工会・商工会議所が計画づくりを支援してくれる場合があります。会員でなくても相談できる場合があります
- 専門家と組む——行政書士や中小企業診断士などの支援者に、計画づくりと書類作成を伴走してもらう方法です。費用はかかりますが、社長は「事業の中身を語る」ことに集中できます
- 小さく始める——いきなり大型の設備投資系ではなく、まず規模の小さな制度で一度、申請から入金までの流れを経験してみる。二度目からは景色が変わります
気をつけたいこと
おすすめする一方で、正直な注意もお伝えします。
- 補助金は後払いが原則です——立て替える資金の手当て(自己資金や融資)はあらかじめ考えておく必要があります
- 「もらえるから買う」は本末転倒です——事業に必要な投資が先、補助金は後押し。順番を間違えると、使わない設備と手間だけが残ります
- 申請には手間がかかります——その手間に見合うかどうかも含めて、着手前に見積もりましょう
それから、国の補助金だけがすべてではありません。都道府県や市町村にも、独自の補助制度が設けられている場合があります。地域の制度は全国区の制度より競争がゆるやかで、金額は小さくても手が届きやすいことがあります。お住まいの県や市のホームページ、商工会議所の案内を、年度初めに一度眺めてみる。小さな会社の制度活用は、足元の地域から始めるのが近道です。
まとめ
補助金は小さな会社のための制度であり、小さな会社ほど効き、計画を書く経験そのものが財産になります。「うちには関係ない」と思っていた方こそ、一度、自社が使える制度の棚卸しをしてみてください。
制度の対象・補助率・要件は年度により変わります。最新は公式の公募要領でご確認いただくとして、「何から見ればいいか分からない」という段階のご相談で、まったく構いません。
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