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つなぎ融資の考え方——補助金の入金までをどう乗り切るか
補助金は後払い。設備の代金は先に全額、自社で支払う。——この構造をお話しすると、必ずこう聞かれます。「先に払うお金が、うちにはないんですが」。ご安心ください。そのための道具が、ちゃんとあります。つなぎ融資です。
この記事では、つなぎ融資とは何か、どこに相談するのか、そしていつ動くべきかをお話しします。
つなぎ融資とは何か
つなぎ融資とは、補助金が入金されるまでの立て替え資金を、金融機関から一時的に借りることです。たとえば1,000万円の設備を補助率2分の1で導入する場合(数字は例です)、支払いの時点で1,000万円が必要になります。このうち、後から補助金で戻ってくる見込みの部分を短期の融資でまかない、補助金が入金されたらその返済に充てる。残りの自己負担分は、自己資金なり通常の設備資金の融資なりで手当てする。これがつなぎ融資の基本の形です。
ポイントは、「返済の原資が最初から見えている借入」だという点です。採択通知や交付決定通知という、国のお墨付きの入金見込みがある。だからこそ金融機関も検討しやすい。通常の運転資金の借入とは、性格の違うお金なのです。
どこに相談するか
相談先の候補は、次のとおりです。
- 日頃お付き合いのある金融機関——メインバンクの信用金庫・地方銀行など。会社の状況を知ってくれている分、話が早い場合が多いです
- 日本政策金融公庫——政府系の金融機関で、中小企業向けの融資メニューがあります
- 信用保証協会付き融資——保証協会の保証を付けて民間金融機関から借りる形。制度融資として自治体の支援が絡む場合もあります
金融機関によっては、補助金の交付決定を踏まえた「つなぎ資金」への対応に慣れているところもあります。地域の中小企業支援に力を入れている信用金庫などは、補助金絡みの相談を日常的に受けている場合が多く、心強い相談相手になります。
いつ相談するか——採択後では、実は遅い
ここが今日いちばんお伝えしたいことです。金融機関への相談は、採択が決まってからではなく、申請を準備している段階でしておくのが理想です。理由は三つあります。
- 第一に、審査には時間がかかります。採択後に慌てて相談すると、発注のタイミングに間に合わない場合があります
- 第二に、事業計画書の説得力が増します。「金融機関に相談済みで、資金調達の目処が立っている」と書ける計画書は、実現性の評価で有利に働く場合があります
- 第三に、金融機関からの見え方が違います。事前に筋道を立てて相談に来る会社と、お金に詰まってから駆け込む会社。どちらが信頼されるかは明らかです
「借りるかどうか分からない段階で相談していいんですか」と聞かれますが、いいんです。金融機関は、早い相談を嫌がりません。むしろ、投資の計画段階から情報を共有してくれる会社を、応援したくなるものです。なお、融資の相談は、決算書と事業計画の説明がセットになります。日頃から自社の数字を自分の言葉で語れるようにしておくことが、いちばんの準備です。
気をつけたいこと
つなぎ融資を使ううえでの注意点も、正直に挙げておきます。
- 利息はかかります——短期とはいえ借入ですから、利息分は投資の採算に織り込んでください
- 補助金が満額入るとは限りません——実績報告で経費の一部が対象外とされ、受給額が見込みより減る場合があります。返済計画には余裕を持たせてください
- 入金時期はずれる場合があります——検査や確認のやり取りで、想定より入金が遅れることがあります。返済期限との間に余裕が必要です
- 採択前の借入判断は慎重に——不採択の場合にどうするかも、あらかじめ金融機関と話しておくと安心です
制度や金融機関の取り扱いは、時期や地域により変わります。年度により変わります。最新は公式の公募要領や、各金融機関の窓口でご確認ください。
まとめ——お金の段取りまでが、補助金活用
補助金の活用とは、採択されることではなく、投資をやり切って、会社を強くすることです。そのためには、計画書と同じくらい、お金の段取りが大事になります。「補助金を使いたい」と思ったら、事業計画とあわせて資金計画を。そして金融機関への相談は早めに。この二つを守るだけで、補助金は安心して使える道具になります。お金の不安が消えると、経営者は本来の仕事である「事業を伸ばす判断」に集中できます。その環境づくりも、補助金活用の一部です。段取り全体の設計から、一緒に考えましょう。
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